2011.3.11を経験した人たちは一様に、
あまりに過酷な現実の前で、無力感におそわれた。
この間まで、
http://shiga-jyo.comを見ながら、
やってくる週末を楽しみにしていたのに。
作家や芸能人たちの提供する、
架空の物語や歌や踊りはすべて、
受け手に楽しんでもらうことを目的としている。
でも、被災者に必要なものは物資であり、医療だ。
くわえて、あまりにも大きな喪失に呆然とする人々の前で、
絵空事の愛や幸福を見せることに罪悪感を感じてしまう。
本を読んだり、歌ったり踊ったりするより、
炊き出しのボランティアをするほうが、ずっと役に立つ。
でも、しばらくたつとわかってきた。
過酷な現実につぶされそうな心を救うのは、絵空事なのだ。
食料は身体の機能維持のためにあり、
フィクションは心の健康のためにある。
絵空事の持つ力を信じたい。